新潟 砂丘館、合同船茶会
とっても素敵なお茶会でした。
順に写真でご紹介します。
新潟市中央区にある『砂丘館』
予約の際に電話で伺ったところ『むしやしない』とは軽食のことです、と言われたので、二村さんのことだからきっと素敵なお食事なんだろうなと、ぜひ夜の回に行きたい!と思い、私は子供たちを主人に託し18時からの『むしやしない付き』の回へ参加してまいりました。
始まる前に食前の中国茶も出ますので30分前(17時半)に来てくださいと言われ、はーいとテクテク。
寄付きは、中国茶によるおもてなし
中に入るともうそこは異空間・・・。すてきです。
中国茶のお点前も見たことが無かったので、とても興味深く拝見しました。
お点前さん、胡坐(あぐら)でお茶を入れるのですね!びっくり。
10名分を1口サイズの小さな茶碗にそれぞれ入れたと思ったら、また1つの器に集めて濃度と温度を調節したり(たぶん)、日本のお煎茶のお点前と似ているような気もします。
そして合間合間に、何度かお点前さんも自分用のお茶椀で味見(たぶん)をしています。お点前の最中にクイッと飲むのです。え!とまたまたびっくり。
そのときは写真を撮っていいかわからなかったので、お点前やその後の『むしやしない』の写真は残念ながらありません。(その後、写真とブログの許可をいただきました)
これは全部終わってから撮った、中国茶のお席の写真です。ここに10人が座布団で並んで座りました。
茶葉の味の変化を愉しむのが中国茶だそうで、2杯のみならず最後だからと3杯目も淹れてくださいました。
お二人の芸術家
中国茶のお釜、建水、茶托など、ここにあるいろいろな金属のものを作られたのが、
今回コラボされた芸術家の一人、竹俣勇壱さん。
竹俣さんのインスタ
https://www.instagram.com/takemata_yuichi/?hl=ja
さすが芸術家、お写真のアングルのセンスが素晴らしいです(>_<)
壁の書はもうおひとりの芸術家、華雪さんのお筆です。
『船』ではなく、『舟』の意味。
そして『合同船』をテーマに、ジャンルの異なる芸術家のお二人と、
新潟の茶道ユニット〇△□(まるさんかくしかく)のお三方が
魅せてくれる航海。
すてきな空間で、ゆるゆる、ゆらゆらと時間が過ぎていきます・・・
むしやしない
中国茶の後は、『むしやしない』でした。
『むしやしない』とは京都の方言で『虫養い』、
つまり腹の虫を収めるためのもので、お懐石と違って少しずつしか用意していません、との説明がありましたが、なんのなんの。
正式な折敷に、飯、汁、向付け、酒(日本酒又はノンアルコールの甘酒)の他、
八寸まで用意されていて、その一つ一つがとっても美味しくて!
海の物、山の物とも手が込んでいらっしゃいました。
汁物は、味噌汁なのに具がトマトとモッツァレラチーズだったり
全体に和食ではなくイタリアンでした。
お茶事でいうと、寄付きでいただくお白湯の部分が中国茶に、
そしてお懐石の部分をむしやしないにアレンジされたということですね。
そして二階の『蔵』へと席を移動します・・・
わぁーーー・・・・と感動。(写真が下手ですみません)
天井に大きな梁が見える「蔵」の中に、
揺らめくろうそくの明かりと、窓からの夕暮れの静かな明かりのみ。
幻想的な空間です・・・
そして2帖の小間に見立てた枠組みの中には
氷の入った樽(右)と、
なにやらモダンな風炉にモダンなお釜がかかっています(左)。
これから何が始まるのだろうと、わくわく。
鏡点前に氷点前に逆勝手。触れたいことが盛りだくさん!
席入りの前に冷茶と熱いお茶のどちらがいいかと希望を聞かれたのですが、
右が氷柱点て(氷点前、逆勝手)による冷茶、
左が暖かいお茶(普通のお点前)になっていて、
鏡点前(鏡のように向かい合わせに同時に点てていくお点前)というものでした。
あぁ、なるほど。そういうことだったのですね。
というか、逆勝手(非勝手)のお点前がこんなかたちで活きるとは!
左右とも見たいのでキョロキョロ。
ちなみに、左は表千家さんのお点前、
右が石州流さんのお点前でした。
お裏さん(裏千家)より似ている部分が多いので、見てすぐにわかります。
・・がしかし、氷柱での冷水点て(氷点前)は我が武者小路千家では聞いたことがありません。(私が知らないだけかしら?)
お二人のお点前がたいへん静かで落ち着いていて、
緊張されている様子もまったくなく
ろうそくの光のゆらめきの中、まるで夜の舟に揺られているかのようで・・
ぼーーっと無心で見入ってしまいました。
話が前後しますが、お床には大きな『華』の書。
そして脇には玉アジサイの葉とつぼみ。
書家の華雪さんが、この『華』の書は新潟に来てから、この空間に合わせて書きました、とおっしゃられていました。
下にあった『舟』や『月』とはまた違って、
やさしく丸みがあり、そしてみずみずしくて、
まるでそこに花が生けられているかのように見えるから不思議ですね。
お菓子は〇△□(まるさんかくしかく)のお一人、にむらやさんのご製で
舟形の白い寒天(ココナッツミルク味)に透明の寒天、
名は『たゆたふ(読み・たゆとう)』
もちろん美味しい~(#^^#)
「ぜひ販売してください」という声も上がりましたが、手間がかかるそうで、普段お店では販売しません、とのことでした(笑)
また、この日は冷水でも溶けやすいフリーズドライの抹茶を使ったそうです。
さすが、きめ細やかな配慮です。
これはすべてが終わってから撮ったので、すみません。お片付け中です。
2帖の小間の『枠』を2つ入れたくて撮りました。こんな感じです。
終わった後に、竹俣さんが『お茶道具の水差しの黒い塗蓋は、主張が強すぎる』というお話が、今までお茶をずっと習っていて疑問に感じたことのない感覚で、面白かったです。
熱いお茶の方の水差しの蓋は竹俣さんの作られた金属のフタになっていて、
たしかに涼やか・軽やかなのですよね。(竹俣さんのインスタの写真に写っていますのでご覧ください)
水差しに金属のフタ。
そして風炉は鉄製ですが、お釜は熱が伝わりやすい(すぐ沸く)ようにとても薄手のステンレス製とのことで、機能面にもこだわられています。
普段のお茶会では見たことのないことだらけで、
こういうかたちもあるんだなと、とても刺激的な時間でした(^^)
竹俣さんはご出身が石川県、華雪さんは京都ということも個人的にはグっときて。
石川県、私好きなんです。3、4回行ってすっかり虜になり、こういう町に住みたいなと思ったのを覚えています。
もちろん京都もお茶の本家ですから、お茶に通ずるものがたくさんありますし。
またぜひ開催してほしいです。
書いていると色々思い出し、キリがないのでこの辺で・・。
すごい強制終了(笑)
長文失礼いたしました。