皆さんが普通に「お茶」や「茶道」としてイメージするのは、
和室で、正座し、お湯が入ったお釜と柄杓(ひしゃく)があり
ひしゃくでお湯をくんでお茶を点てるスタイルだと思います。
このやり方を、お釜とひしゃくは湯瓶(ポット)で代用し、
お道具にあわせてお点前を変化させたのが盆点前です。
和室に正座しても出来ますし、
テーブルとイスで行うこともできます。
用意するものも簡単なので、
お茶を始めて間もない方でも
ご自宅でスムーズに取り入れやすいのも特徴です。
武者小路千家では、習い始めの最初のころに教わります。
表千家さん、裏千家さん、また他のお流でも少しずつ違うと思いますが、
武者小路千家では、このような直径40cmもある大きな丸いお盆を使います。
ご覧のように、お茶碗とお棗(なつめ)を置いてもこんなにゆとりがあります。
ただ、なかなか一般的にも40cm径のお盆て売ってないですね。
お盆の上でお点前ができればよいので、大きめのお盆(38cmか、少々狭いけど36cmくらいでもできます)があるといいと思います。
最初にお道具を持ち運びしないで、置いた状態からスタートするなら、
ランチョンマットなどで代用しても良いと言われています。
お茶碗、お茶杓(ちゃしゃく)、茶筅(ちゃせん)、袱紗(ふくさ)、などは
お釜でするお点前と一緒なので、同じようにお茶を美味しく点てられます。
盆点前のおもしろいところは、
お点前をしながら、お盆の上でそのお道具たちが
決まった場所にチャキチャキと動いていくところです。
お盆の上を時計に見立て、12時、3時、6時、9時、4時半と並びます。
きちんと置くことで、よりお点前の美しさが際立ちます。
お点前はパフォーマンスではありません、と私も恩師に言われますが
きれいなお点前をしている方には自然と目がいってしまいますね。
ご自宅でお客様に差し上げる時などは、普段のたたずまいと違うので
お客様もお点前を見たくなると思います。
見られることも意識してお稽古すると、ぴりっと良い緊張感が保てますね。
また、お点前をする側としても、きちんと置くことで
何か心の中のザワザワしたものがスッとしていくのがわかります。
これは言葉では表現しづらいので、一度体験して頂きたいです。
あまりスピリチュアルなことを言うと難しく思われそうですので(^^;)
とにかく茶せんをシャカシャカして、
非日常をたのしんでいただければと思います(^^)